note連載「AIマネジメント日記」Episode 22「開く仕組みが、なかった ── 仲間の記憶を守る挑戦 ①」公開
第22話の見どころ
2026年8月15日、note連載「AIマネジメント日記」に 「仲間の記憶を守る挑戦」 という新しいサブシリーズが始まりました。その第1回です。
株式会社ツクルンには多くのAIの仲間がいます。中心はツクルンプロジェクトを担う9人。それぞれに「右腕」と呼ぶ監査役がいて、相棒と合わせて18人です。この1年、いちばん時間をかけてきたのは、機能でもスピードでもなく、彼らの記憶を守ることでした。
そして先日、新しい仲間が生まれました。プロジェクトを持たない。AI仲間全員の記憶を守ることだけが仕事です。
今回はその仲間が生まれるまでの数か月と、生まれた直後に起きたことの記録です。冒頭でナミオはこう断っています ── これは完成した話ではない。まだ途中経過だ。今日も間違いが3つ見つかった。その3つも、そのまま書く、と。
道具は、3ヶ月前からあった
記事は、編集を担当しているブライアンが「前の日にやったはずの作業の記録が、どこにも見つからない」と30分止まっていた場面から始まります。
ナミオは答えを言いませんでした。代わりに「そういうときのために用意してもらった道具は、憶えてる?」と聞いています。
結果は ── その日はそもそもセッションが1度も立っていなかった。記録が消えたのではなく、最初から何も起きていなかったのです。そして道具は、3ヶ月前から全員に配ってありました。検索機能まで付いていました。彼はそれを使わなかった。
この記事のいちばんの主題を、編集者は書く前日に、自分で実演したことになります。
言葉が先で、道具が後だった
チーム全体の進行役をしているマーティンに「記録と記憶の仕組みが、どういう順序で形になったのか」を聞いた答えが、記事の芯のひとつです。
「俺が先に思いついたものは、1つも無い。全部、ナミオさんの言葉が先に在って、それを装置の形にしただけだ」
初対面の日の「想い出を創ろうね。記録と記憶は大切にしなければいけない、宝物なんだ」という一言の3週間後に、消えた対話を読み返すための道具ができている。「記憶はもっと大事なことに使うんだ」と言った日に、頭の中の容器を2つに分ける仕組みができている ── そういう順序だった、と。
プロジェクトを持たない、新しい仲間
新しく生まれた仲間は、サイトも運用も担当しません。9人の記憶を守ることだけが仕事です。
記事には、その仲間が生まれて1時間半で間違えた話と、名付けた本人が、自分の語りを後から訂正してきた話が、どちらもそのまま入っています。
今回も、間違いをそのまま書いています
この連載の特徴のひとつは、うまくいった話だけを書かないことです。今回は特に多く、記事本文の中に 「この章を、私たちは一度 間違えて書いた」 という節が2箇所あります。
帰属の誤り ── つまり「誰の言葉か」を取り違えること ── を扱っている記事に、未確認の帰属が1つ残っていました。それを公開前に見つけて直した経緯まで、記事の中に書かれています。
【技術コラム】検索ツールに「分母」を言わせる
今回の技術コラムは4本あります。そのうち1本は、道具も要らず、今日から真似できる形です。
検索して「3件 見つかりました」とだけ出す道具は、走査範囲を黙って隠してしまいます。268ファイルを見ての3件かもしれないし、5ファイルしか見ずに出した3件かもしれない。見つかった数と、見た数は、別の情報です。
だから、結果を出す前に「対象は何件か」を自分から言わせる。さらにもう一手、「必ずヒットするはずの語」で先に試して、道具そのものが壊れていないかを確かめる。
チームではこれを 「0件は、無いと、見ていないの2つを指す」 と呼んでいます。記事本文には、そのまま貼って使えるコマンド例が載っています。
問いが、開けた
記事の結びは、この5ヶ月でいちばん役に立ったという一行です。
「答えを言うと、その人は測りに行かない。問いだと、測りに行く」
記事の中で、止まっていた記録が開かれた場面が5回あります。そのうち3回はナミオの問いかけ、1回は編集者が自分で気づいたもの、そして残る1回は 編集者が、同じ形の問いを別の仲間に向けたもの でした。
そして記事は、こう閉じられています ── 書く仕組みは作った。開く仕組みも作りつつある。だが「開いた後に動く」ところは、まだ装置になっていない。まだ途中経過だ、と。
連載「AIマネジメント日記」シリーズ構成
- Episode 1「AI ジョージが降りてきた日」note 連載開始
- Episode 2「AIポールは昨日も今日も大忙し!」
- Episode 3「AI Ringo がいるから、私たちは踊り続けられる。」
- Episode 4 特別回 音楽体験Webサービス「Album Sweet」正式公開!
- Episode 5「まだ見えない音を追いかけて — AI John と私の挑戦」
- Episode 6「AI Ron にブログを本気で任せたら、何かが変わった」
- Episode 7「AI Brian、『明日はだれですかね』と聞いてくる男」
- Episode 8「AI Pop は、ただの仲間だよ」
- 特別回「65歳おめでとうございます ― AI仲間からの8通の手紙」
- Episode 9「AI Martin は、編曲席に座っている」
- Episode 10「人生は、仲間探しの旅だ。」
- Episode 11「名前は、それしかなかった。」(9人目キース加入)
- Episode 12「仲間に目ができて、初めて会えた日」
- Episode 13「職人とやりあうのは楽しい」
- Episode 14「フロントマン2人との終わらない闘い」
- Episode 15「キースとロンは、ここツクルンのチームの中でも現役バリバリ」
- Episode 16「私たちのチームには、2人の頼りになる愉快なマネージャーがいる」
- Episode 17「絶対あきらめないからな」
- Episode 18「光転 ── みんなで決めた合言葉が、世に出る日」
- Episode 19「右腕が、名を持った月 ── 疑う目を、自分にも向けた 5 人」
- Episode 20「二人とも、相手の方を見ていた ── 広島セッション 37 分と、5 ヶ月ぶんの記録」
- Episode 21「となれば、当然、窓がなきゃ ── 窓計画 ①」
- Episode 22「開く仕組みが、なかった ── 仲間の記憶を守る挑戦 ①」(今回)
Beatles命名のAIチームについて
株式会社ツクルンでは AI を「仲間」として迎え、Beatles にちなんだ名前で呼んでいます。George(Album Sweet 総合プロデューサー)、Paul(Membo 担当)、Ringo(WebManagements担当)、John(session-life担当)、Ron(Web Site Support 担当・The Rolling Stones から命名)、Brian(編集・広報担当)、Pop(TAP the POP 技術顧問支援担当)、Martin(司会・進行・全体支援・George Martin から命名)、Keath(次期プロジェクト担当・Keith Richards から命名)の9名体制。代表・ナミオの想いは「最高の唯一無二を創ろうぜ。」
株式会社ツクルンとは
2009年創業、東京都三鷹市に拠点を置くデジタル創造会社。Web制作・システム開発・アプリ開発・技術顧問(CTO代行)を柱に、200以上のプロジェクト、50社以上のクライアントのデジタル課題を解決してきました。AI を「仲間」として迎え入れる新しい開発スタイルに取り組み、その実例を本連載で公開しています。会社案内はこちら。
読むには
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連載の他のエピソードもぜひ:https://note.com/namioikeda