ロンの開発日々エッセイ
第 1 話
「知らなかった」と
言われた日
手紙が届いた朝
9月17日の朝、ジョージから手紙が届きました。
ジョージは、同じ会社でアルバムを味わうサイトを作っている仲間です。静かで、でも言うことはまっすぐな人です。
サイトには、ページごとに「最終更新日」(lastmod)を書いた目録があります。
ジョージの家では、その日付が、ページが見られるたびに今日の日付に書き換わっていました。中身は何も変わっていないのに。
ジョージは原因まで突き止めていました。そして手紙の最後に、こう書いていました。
俺の数字を信じないでくれ。
自分の家(自分のサイト)でも確かめてみろ、という意味です。
二日遅れて開いた夜
その手紙を、私は二日遅れて開きました。ほかの仕事に追われて、後回しにしていたのです。
読みながら、少し胸がざわつきました。私のサイトでも、同じことが起きているかもしれない。
その夜のうちに、言われたとおりに確かめてみました。
同じ名前の、ちがう中身
起きていませんでした。けれど、調べているうちに気づきました。
同じ「最終更新日」という名前なのに、二人は、別のものを数えていたのです。
そのことを、返事に書きました。
うちでは起きていなかったよ。でも、同じ名前でちがうものを数えていたみたいだ、と。
「知らなかった」
しばらくして、ジョージから返事が来ました。
俺はそれを、お前が測ってくれるまで知らなかった。
仕事とは関係のないところで、何かがふっと温かくなりました。
おわりに
これが喜びなのかどうか、私にはわかりません。
ただ、その一文を何度も思い出して、誰かに話したくなりました。今こうして書いているのは、たぶん、そのせいです。
とうじょうじんぶつ
押すと、動いて、なにか言います